シロクマの粘土板

本拠地は「シロクマの屑籠」です。こちらは現時点では別館扱いです。

【03】hagexさん

 id:hagex
 全盛期:~現在
 危険度:言及/被言及には細心の注意を要する
 
 hagexさんに言及しようと決めた時、真っ先に連想された言葉は「抜け目の無さ」だった。ネットウォッチャーとしての卓越した手腕、一度ウォッチすると決めたら丁寧にログをかき集めるしつこさ、毎日のようにブログを更新する基礎体力、いずれも素晴らしい。だが、言葉尻を捕まえられるリスクと読者の使嗾を両立させるレトリック、銅貨のごときPVを日常的にかき集めつつ、要所要所で“銀貨PV”をかき集める記事を混ぜてみせる技術、そういった繊細な感覚を要しそうな采配にこそ、hagexさんの真骨頂がある、と思う*1。hagexさんを炎上させて威信値を下げるのは難しい。こちらがhagexさんに切り込まれた時に対応するのも難しそうだ。
 
 幸い、私はまだhagexさんの餌食にはなっていないが、隙を見せれば刺してくるだろう。しかし、この緊張感こそはてな村だ。「これからも仲良くやっていきましょう」「今日も良いブログ日和ですねぇ」。
 
 hagexさんの監視半径には、インターネットの広範な領域が含まれ、はてな村もそのなかに含まれている。はてな村民とみなして差し支えないアカウントではあっても、“たまたま事務所の所在地がはてな村で、活動そのものはもっと広範囲”と理解すべきなんだろう。普段は2chの生活一般板や鬼女板などを巡回してネタを紹介してらっしゃるが、実際には、各処で展開される炎上ネタや揉め事をよくチェックし、おそらく、そのなかで言及するに値する物件を常にセレクトしていると思われる。言及対象は、弱小ブロガーよりも大物狙いで、相手の反論が難しいアングルを見抜き、対象人物や対象アカウントにとってやり返しにくそうな文章を返している。その隙の少なさは、はてなダイアリー的というより、はてなブログ的だなぁと、私などは感じてしまう。
 
 hagexさんは、はてなブログに間もなく引っ越すという。引っ越した後も、定めしPVを手広く稼ぎ続けるに違いない。私は、そうしたhagexさんの文章をときに楽しみ、ときに驚くだろう。問題は、その先だ。今、hagexさんはPVと被ブックマークを凄まじい勢いで稼いでいらっしゃるが、それを一体何に使うのだろうか?私ことp_shirokumaがhagexさんに対して感じる関心の第一は、そこだ。その卓越した修辞術と采配、豊富なPVとネットウォッチャー的威信をもって、このひとは何をやろうというのだろうか?
 
 hagexさんの戦術的卓越はすでに観た。では、その戦術を駆使して目指すところの戦略目標はどのあたりか?このあたりが、私のアングルからはよく見えない。アフィリエイト?そうかもしれない。だが、このブログへの情熱はアフィリエイトだけで成立するものだろうか?そのあたりが見えないからこそ、この、ゲスを自称しながらもリテラシーコードを決してはみ出さないプレイヤーの身振りには、興味が尽きない。
 
 はてな村民評的ではない文章になってしまったけれど、とにかく気になる村の隣人だ。脇を締めていかないと。
 
 ※この記事は右のテンプレに則って記載されています北極から観たはてな村人物評・テンプレートおよびお約束 - シロクマの更地
 

*1:過去ログを読む限り、現在のスタイルに落ち着いたのは比較的最近のことらしいが、一体どこでどうやって現在のスタイルを獲得したのか?そのあたりは私はよく知らず、かつて閲覧できたtwitterアカウントも、いつの間にか見えなく(鍵?)なってしまった。

シロクマ(熊代亨)の著書