読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

シロクマの粘土板

本拠地は「シロクマの屑籠」です。こちらは現時点では別館扱いです。

「あなたへのお知らせ」は20件までしか溜まらない――放置したらスッキリした

 

 
 最近、インターネットの贅肉を落とそうと思って、削っても困らない情報を削ることにした。まず、はてなの「あなたへのお知らせ」を捨てようと思った。
 
 こういうポップアップの類は、もともと自分が欲しがっていたインターネットではなかった。「リアクションがあれば承認欲求が満たせるじゃないか」と反論する人もいるかもしれないけれども、むしろ、こういうポップアップ系のリアルタイムなリアクション通知は、承認欲求の充実感を劣化させているような気がする。これは、直感がそう告げているだけで、学問的根拠があるわけではない。けれども、「リアルタイムで」「インターフェースの側からお知らせをよこしてくる」タイプのお知らせは、なんとなく毒素を含んでいるように感じられた。
 
 もちろん私は、ブログ経由で不特定多数から承認欲求を充たして貰っている。PVとか被はてなブックマークとかが最たるものだ。でも、それらは「能動的に見にいかなければ」見えないものであって、「受動的に知らせて貰う」ものではなかった。だから一日に一回か二回しか見なくても構わないし、場合によっては一ヶ月ぐらい放っておくこともあった。
 
 ところが「あなたへのお知らせ」に慣らされているうちに、知らせが来ると見に行くようになっていた。他人のリアクションと自分自身の自意識の距離が、微妙に変わってしまったと思う。今、振り返って考えてみると、人間関係の間合いを読み違えた時のような、疲れやすい何かが「あなたへのお知らせ」によってもたらされていた*1。私のインターネットにおいて、他人のリアクションと自分のチェックの距離感がこれほど近付いてしまったことは無かった。これほど頻繁に被ブックマークをチェックしたことも無かった。いつしか私は「あなたへのお知らせ」の下僕になっていた。「あなたへのお知らせ」によって注意を奪われ、時間も盗まれ、p_shirokumaのインターネットがずれてしまっていたと思う。
 
 “こんなインターネットを、俺は欲しがっていただろうか?”
 
 異常に気づいて、12月下旬から「あなたへのお知らせ」を放置してみることにした。ついでに「あなたへのお知らせ」の数字が幾つまで溜まるのかをチェックしてやろう、はてなブックマークを1000個ぐらい取って、999でカウンターストップしてやろう――そんな好奇心も沸いて挑戦してみることにした。
 
 ところが、「あなたへのお知らせ」は根性無しで、たった20でカウンターストップと相成った。255とか65535とか、もっとキリのいい数字にしろよ!
 
 逆に考えると、今までそのことに気づかないぐらいぐらい頻繁に、私は「あなたへのお知らせ」を読んでいたということだ!!
 
 いったんカウンターストップしまうと、今までどおりのインターネットが帰ってきた。もともと必要としていなかったサービスだから、封じてしまったところで痛くもかゆくもない。リアクションが見たい時には、今までどおりに調べれば良いのである。「あなたへのお知らせ」などという、医療用ポケベルのような不吉きわまりないアイテムをインターネットの懐中に忍ばせておく必要など最初から無かったのだ。
 
 これで私のインターネットが“完治”したわけではない。けれどもさしあたり、自分がやりたいインターネットを、やりたいようにやるための第一歩にはなったとは思う。
 

*1:これはSNS系の通知にも言えることだ

シロクマ(熊代亨)の著書