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シロクマの粘土板

本拠地は「シロクマの屑籠」です。こちらは現時点では別館扱いです。

中年男女は魔法少女にはなれなくてもジェガンには乗れる

短文

 

僕たちはガンダムのジムである

僕たちはガンダムのジムである

 
 むさくるしい中年、うらぶれた中年が、フリルをひらひらさせた可憐な魔法少女になることなどできはしない。なろうと願うのもおこがましい話だ。
 
 だが、ジェガン乗りならどうか?
 
 ジェガンもまた、魔法少女と同じく、燃えて消えていく儚いものだ。個性があるのか無いのかわからないフォルムは「特別な私」願望を抱いてやまない人には魅力的ではないかもしれないし、いつだったかのテレビCMで「量産機になるな」などという呪詛が流れる現代社会ではあるが、まぎれもなくジェガンは社会を回転させるユニットであり、地球連邦のワークホースであり、つまり、使い捨ての魔法少女と同じく世界を動かす原動力だ。
 
 あえて区別をもうけるなら、魔法少女は世界を変え得る存在だが、ジェガンは専ら世界を存続させる存在だ。だが、魔法少女ジェガンに貴賤の違いなどあるだろうか。
 
 「私は信じぬよ、ニュータイプなどという存在は。」
 
 細かいことを言えば「俺だってジェガンに乗りたかったのにジムIIIをあてがわれた」「マラサイに乗っているうちに、テロリストの下僕になっていた」といった違いはあるかもしれないが、とにかく、世界のフロントラインを支えているのはエスパーめいた若い連中ではなく、中年期のパイロットが乗った量産型モビルスーツの大群である。スーツ姿の大群を見ていると「社会の歯車」などと自嘲すべきではなく、「歯車が、社会だ!」と吠えたくなる。魔法少女にできないこと、ニュータイプにはこなせないことを、量産機の大群がこなしてみせる、そうだ、シン・ゴジラに登場した大人達のように。戦え!中年!戦え!ジェガン
 
 「連中は早い!この、大型ジェガンタイプでは駄目だ!」
 

 

シロクマ(熊代亨)の著書