シロクマの粘土板

本拠地は「シロクマの屑籠」です。こちらは現時点では別館扱いです。

【05】nekoraさん

 id:nekora
 全盛期:~現在
 危険度:低強度。しかし危険は常に頭上にある
 
 はてなブックマークには、文意を理解できないアカウント、タイトルだけ読んで脊髄反射するアカウント、意地悪やあてこすりを繰り返すアカウントが跳梁跋扈しており、そうしたアカウントの跳梁によって、はてなブロゴスフィアの、ひいてははてな村のギスギスした雰囲気が形成されている。一般論として、ねこらさんのアカウントは、そういう厄介アカウントとみなされやすいものだ。リベラル寄りなはてな村において、彼の発言の多くは リテラシーコードに抵触している。御本人にとって、そんな事はどうでも良いだろうが。
 
 ねこらさんは「はてな村のトリックスター」だろうか?私はそんなに立派なものだとは思わない。ネトウヨ的発言はステレオタイプなものだし、あちこちのブロガーのブックマーク欄に出没して悪意や皮肉の鱗粉をまき散らす姿は、まるで毒蛾のようである。
 
 ただ、はてな村にはびこる毒虫的アカウント・毒虫的ブックマーカー達の凡百とねこらさんを同一視することには無理がある。
 
 ・長命:呪詛や悪意を書き込んで憚らないアカウントは、総じて短命である*1。しかし、ねこらさんのアカウントは長命で、きわめて多くのブックマーカーから「ブックマークお気に入り」を獲得している。これほどbad boy rate の高いアカウントを運用し、多くの人に(例えばy_arimさん等)から憎まれているにも関わらず生き残っている事実は、注視しておいて良いものだと思う。
 
 ・本拠地:はてなダイアリーを保有し、必要時にはブログ上から言及を繰り出してくる。また、自身のブログがいつでも言及され得る状態を保っている。短命な泡沫ブックマーカーにはみられない姿勢だ。
 
 ・ユーモア:時々、ねこらさんは恐ろしく機転の利いたブックマークコメントを残す。
 
 ・本当に危ないネタには距離を取る:何にどのように言及するのが最適/最悪か、かなり考えているふしが見受けられ、しばしば無言ブックマークを行っている。
 
 ・キャラクターの妙味:味方のつくりかた、あるいは読者のつくりかたを心得ている。邪悪発言を繰り返しても「まあ、ねこらさんのキャラだよね」で通るような“スタイル”を確立している。
 
 以上から、なかのひとは頭が回り、本人なりのネットリテラシーに沿った発言を続けていると推定される。実際、はてな村で起こった「対ねこら紛争」の様子を見ている限り、ネット喧嘩の試合運びは巧みで、余裕がある。少なくとも、初手で教養自慢をはじめるような人間が勝てる相手とは思えない。
 
 さて、ねこらさんのブックマークは「非表示」にするべきだろうか?既にしている人もいるだろうし、これからしようと考えている人もいるだろう。それはそれで悪い選択ではない。また、ねこらさんに喧嘩を売るべきだろうか?これはやめたほうがいい、毒蛾に触れる者は、ただそれだけで手が汚れてしまうのだから。たとえ毒蛾を潰したとしても、その手は醜く腫れ上がるだろうし、現実問題として、喧嘩を売って勝てる相手とは思えない。
 
 このように、はてな村には、殆ど無敵の人に近いキャラクターと化した人物が存在する。そして、ねこらさんのクオリティに届かない意地悪アカウント・皮肉ジェネレーターの類ならば、もっとたくさん存在している。今日日のインターネットおいて、こうしたアカウント群を視界から閉め出すのはいとも簡単だ。だが、こうしたアカウントの存在もまた、はてなブロゴスフィアの多様性に寄与していて、はてな村universeの一部を担っていることを、私は忘れるわけにはいかない。
 
 「このひとを見よ」とは言わないにしても、ねこらさんも娑婆世界の一部と心得たうえで、インターネットの清濁をまなざしていきたい。
 
 ※この記事は右のテンプレに則って記載されています北極から観たはてな村人物評・テンプレートおよびお約束 - シロクマの更地
 

*1:理由は語るまい

シロクマ(熊代亨)の著書