シロクマの粘土板

本拠地は「シロクマの屑籠」です。こちらは現時点では別館扱いです。

topisyuさん、失礼しました。

 
 誤読解説"黒っぽいレトリックを駆使してPVを稼いでいるブロガーは、どこでブログを書いてもウンコまみれになるのでは" - 斗比主閲子の姑日記
 
 今回、topisyuさんに上記記事でご指摘頂いた点について。
 
 まず、ごめんなさいを言わせて下さい。今回少なくとも二点、私は間違いをやってしまったと思っています。
 
 一点は、元記事におけるtopisyuさんからの引用について。今読むと「私がやられたら、きっと怒るに違いない」ものだと思います。ご指摘頂いたとおり、これじゃtopisyuさんが引っ越したがっているようにしか読めないし、引用の文脈そのものが「記事のなかの悪者扱い」。元元の記事からの文脈もちゃんと引き継げていません。後半の論旨の叩き台として、かなり乱暴に引用してしまった。
 
 もし、私がこういう引用のされかたをしたら……腹が立っていたのではないか。久しく忘れていましたが、私は昔、小飼弾さんのブログから、そんなような引用のされ方をした事があったな、と思い出しました。これは私のリテラシーコードに抵触する行為です。これは私が悪いとはっきり思った。すいませんでした。
 
 もう一点。「女性のお願いなら聞いてくれるかもしれない」という修辞について。これはtopisyuさんが失礼と取ってもおかしくないかもしれない、ぞんざいな修辞だったと思います。
 
 今回の私はtopisyuさんについて、自分でも驚くほど下調べの甘いなかで言及しています。ブログファイターとしては、失格ですね。それはさていおいて、世間の通念と照らし合わせた時、こうした修辞が「女として甘くみているのではないか」と解釈される可能性はあった筈で、私はそこを失念していたか、控えめに言っても軽視していたと思います。これも、失礼な物言いと思われておかしくないものでした。
 
 ちなみにここから先も失礼にあたるのかどうか心配しながら、でも、見解を伝えられる範囲で伝えてみたいと思うので書いてみますが、私は「topisyuさんだったら、本当に(株)はてなにお願いすれば動くのではないか」と本気で思っています。そして、潜在力を、本当に羨ましくも思っているし、ある部分で懼れてもいます。女性のセクシャリティやジェンダーコードに親和的な修辞が、世間一般においてどのようにみられているのか――それこそ、媚びというような風に――はともかくとして、私は、そういう自分が持ち合わせていない(そしてこれからも持つことが難しそうな)コミュニケーションのコード、コミュニケーションの技法や修辞を、言葉を使った熟達の技として敬い、畏怖しています。
 
 topisyuさんは、「シロクマが二回書いたから、topisyuさんを追い出しがっている」と類推しました。一般論として、ちょっと大股な類推というか、自分だったらそういう事を連想しても書きません。そもそも、私は同じもの言い繰り返してしまう悪い癖が昔からあって、2006~2007年頃は特にひどいものでした。最近は意識して少しずつ修正してはいますが、いまだこの癖が治りきっていません*1。でも、今回はご指摘どおりかな、と思いました。一連の出来事を振り返ると、私自身、どうしてこんなに脇の甘い(ブログ大戦略的視点でみれば、迂闊で、修辞に対する想像力の狭窄した)行動を取ったのか、不思議に思うんですよ。そのあたりについて色々考えたんですが、たぶん、私は本気でtopisyusさんが怖かったんだと類推します。だから、こういう失礼かつ、ブログ大戦略的にも下手なことをやってしまったのではないかと思っています。
 
 七面倒な言い換えをすると、topisyuさん(の文章)は、一瞬で私の精神のセキュリティコードを解き、素朴な防衛を引き出したのかもしれません。だとしてもそんなの関係なく失礼は失礼ですから、これは、大いに気をつけなければならないと思いました。このあたりについて長くなるのも野暮なので、これで文章を結びます。今回の件は、いろいろ考えさせられました。失礼しました。反省します。
 
 21:53追記:誤字脱字の修正をアップロード後に発見して、いつもの癖ですが修正をやってます。見つけたらまた新たに直すでしょう。結果として複数回のidコールが行ってしまうと想定されます。ご容赦ください。
 

*1:ちなみに、ブログを書き上げた後にそうした重複を見つけては修正しているので、はてなダイアリーの「ちょっちした更新」ボタンは必須アイテムです。これが無いからはてなブログに引っ越すのを躊躇っていますが、今回、はてなダイアリーで「ちょっとした更新」をやってもidコールがリピートするとわかったので、困ってます

シロクマ(熊代亨)の著書