おととしあたりから、はっきりと自分のブログが原稿圧におされていると感じるようになった。これに気づいたのは、ちょうど二年前のこの頃だ。
ブログが痩せてきた - シロクマの屑籠
書籍の作成やその他のタスクにエネルギーを振り分けるようになった結果、ブログのために考え、ブログのために文章をまとめる時間がかなり減ってしまった。もちろん書籍の作成にはインプットが必要で、その副産物は絶えず発生し続ける。そうした副産物をリサイクルし、後になって使いやすい状態で保存するためには“ブログを書く”というプロセス、あるいはブログ記事によって“かすらせておく”プロセスがきわめて有効だ。インストールとアウトプットの脳内コンビナートの化学反応を無駄なく進める最良の手は、
・娑婆世界や臨床や書籍やネットからインプット
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・本を書くために必要なエッセンスに注力する→それはそれで完結させる
↓
・副生成物をブログにアウトプットする→後日、別の何かをまとめるとっかかりとする
↓
・得られた反応を参照する
↓
・またインプットに逆戻り(以下繰り返し)
だと思うのだけど、忙しくなってくると「副生成物をブログにアウトプットする」のところが弱くなりがちだ。きっとブログにしたらちょっとした記事のまとまりになりそうな副生成物が、どんどん逃げていく。これはとても勿体ないことだけど、時間的/肉体的制約を超えてブログを書き続けることなんてできないから、どうしても取り逃しが増えてしまう。
それと腱鞘炎の問題もあり、一日に延べで10000字以上を打つことが怖くなってしまった。延べで10000字ということは、手許に残る文章量はせいぜい3000~4000字程度。これをオーバーして文章を打ち続けると、手首の調子がおかしくなる。以前、打って打って打ちまくっていた時期に手首を壊しかけて整形外科の世話になったこともあるので、痛みを感じたら早々に切り上げるようになった。そうしているうちにも、脳内に何かがまとまりかけ、ブログに書きたい欲求だけは湧いてくるのだからほとんどビョーキだと思うけれども、ブログのために手をいじめて良い余裕は、今の自分には無い。
よく、「毎日ブログを書くために必要なtips」みたいな定番の話題を見かけるけれども、私の場合、時間と気力と体力とダイヤモンドの手首が欲しい。ブログのネタなんて星の数ほどあるし、本当にネタに困ったらそこらへんのブロガーに言及すれば済む話なわけで、時間さえあれば、心身の余裕さえあれば、ダイヤモンドの手首さえあれば、私はきっと2006年のようにブログを書き綴れるはずだ。ああそれと、眼精疲労を起こさない鬼の目も欲しいかも。このまま十年続けられるのか、ちょっと自信が無くなってきた。